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ポルソナーレ式イメージ切り替え法 NEWSLETTER 第236号
11期20回め平成21年11月28日
脳の働き方と言語の学習回路/浅見鉄男「井穴刺絡・免疫療法」

脳の働き方のメカニズム・おとなと子どもの脳の発達のさせ方
「年金激震!」・1(週刊東洋経済)
 「言語にとって美とはなにか」(吉本隆明)

エクササイズ:
日本型の「ブローカー失語」「ウェルニッケ失語」を変える学習モデル

はじめに

 ゼミ・イメージ切り替え法、中級クラス、スーパーバイザーカウンセラー認定コース、Aクラス、46のゼミをお届けします。
 今回は、日本人の使っている日本語(和語)の文法がつくり出す「認識する知性」の貧困とその結果の障害にテーマを当てて、日本型の分裂病の実体についてお話します。
 具体的な事例は、「年金問題」です。この「年金問題」は、自民党政権が民主党政権に変わるくらいのさまざまな、正と負のインパクトをもたらしました。「認識する」ということの知性が放置されていることが原因です。そこで、共通の関心事の「年金」に焦点を当てて、望ましい日本人の知性のあり方をご一緒に考えます。。

ポルソナーレ代表田原克拓

本号の目次

  1. 「認識」とは何か?「認知」とは何か?
  2. 「分かる」ということの脳の働き方のメカニズム
  3. 「言語にとって美とはなにか」の理論の解説
  4. 「ウェルニッケ失語症」を日本語の文法はつくりだす
  5. 「認識」のバイアスの事例・「年金問題」
  6. 「年金」のシステムの歴史と本質
  7. 認識のバイアス「ウェルニッケ失語症」の事例
  8. 「未納が年金制度を破綻させる」のバイアス
  9. 民主党がキャンペーンに利用したバイアス
  10. エクササイズ・正しい「認識」の知性の磨き方とはこういうものです
  11. 日本人の「認識のバイアス」の改善点とはこういうものです
脳の働き方のメカニズム・おとなと子どもの脳の発達のさせ方
「年金激震!」・1 (週刊東洋経済)
「言語にとって美とはなにか」 (吉本隆明)
「認識」とは何か?「認知」とは何か?

 『赤ん坊から見た世界』(無藤隆・講談社現代新書)に、ピアジェ(スイスの乳・幼児にかんする発達心理学者)による「乳・幼児」の認知と認識にかんする観察が紹介されています。まず、ここからご一緒に考えてまいりましょう。ピアジェは、「子どもの認識」の研究の創始者です。

@ 生後数ヵ月の子どもは、ある興味ある対象が目の前から消えた場合、子どもは、最後にそれに対しておこなった動作をそのまま持続する。例えば、子どもが最後に見た場所をじっと見つづける。生後数ヵ月間はこの状態にある。

A たとえば、対象が床に落ちると、それを落した場所(つまり手と、手の置かれている位置)を見るのではなく、それを探し求めてかがみこみ、床をじっと見つめる。
しかし、それが見つからなければ諦めてしまう。つまり、乳・幼児にとって対象は、自分が対象にかかわる行為の延長線にのみ存在するように思われる。ほぼ0歳6ヵ月から8ヵ月ごろの典型的な反応である。

B 乳・幼児は、対象をカバーで隠す行為を見た場合には、そのカバーを取り除き、ほしい物をとる。その意味で、目に見えなくても、対象は存在していることの認識があるといえる。
ただ不思議なことに、ある場所に対象を隠してから取り出す、ということを数回おこなった後、別なところで隠すと、この段階では、前に隠したところを探すということが見られる。0歳8ヵ月すぎから12ヵ月ごろに見られる反応である。
(前に隠した所では、目の前で隠すので、その新しく隠したカバーを取ることは可能だが、前と別のところで隠したときも、以前のカバーを取る、ということだ。)

C 満1歳をすぎると、過去の探索習慣を克服する。
対象を最後に見た所でのみ、探すようになる。
だが、対象をカバーで隠したままで、カバーごと移動して新たなところに隠すと、その行程を把握して新たな場所で探すということができない。目に見えない置き換えを認識していない。

D 1歳半ごろになると、目に見えない置き換えを認識する。
このことにより、乳・幼児は、自分の行動、行為とは無関係に、対象が自分と他者との共通の場所に存在し、存在しつづけること(「対象の永続性」)を明確に把握する。
客観的な「物理空間」を認識する。
(無藤隆による注・乳児は、初めは自分の行為の延長に対象を認識していた。だが、乳児期の終わりごろに、自分の行為とは独立の対象を認識できるようになる。乳児は、少しずつ、客観的な物理対象と空間を作り出していく、というのがピアジェの発達のとらえ方である。)

「分かる」ということの脳の働き方のメカニズム

■「認知」とは何か?「認識」とは何か?についてご一緒に確認しています。「ものごとを分かる」というときの「分かり方」の深まりと進み方が、「認知」と「認識」です。
 人間がものごとを分かるのは何のためか?ということから考える必要があります。

 それは二つあります。一つは、食べること、呑むこと、休むこと、排せつをすることなどです。生理的身体を維持するために行動するので、そのために必要な食物、水、入浴、ベッドなどを「分かる」のです。

 ここまでは、動物一般も基本的に同じ分かり方をします。

 同じ分かり方とは、目、耳、手、舌、皮ふ、鼻などの五官覚によって知覚して「長期記憶」をおこなうということです。五官覚による「知覚」の記憶は、「行動を可能にする」ということを内容にします。ポルソナーレは、このような行動を「無意識の観念の運動」と定義しています。「無意識」とは、欲求や感情の必要にうながされて思い浮べられる「イメージ」のことです。このようなイメージを「表象」(ひょうしょう)といいます。この「表象」(ひょうしょう)というものの特徴は、「食べたい」「寝たい」「生殖行為をしたい」などの「中枢神経」が自然な恒常性によって内発的にひきおこす「欲求」によって「思い浮ぶ」ということにあります。

 したがって、動物一般は、欲求の中枢神経が働いている時だけ、その「欲求のイメージ」を「表象している」と理解することができます。

 人間が、夜、「夢を見る」ときのイメージも「表象」(ひょうしょう)です。しかし、人間が見る「夢」は、いつも同じ内容ではありません。必ずしも「食べ物のこと」とか「水のこと」の夢を見るのではありません。

 それは、「認識」ということが介在しているからです。人間には、動物一般と違って「大脳新皮質」という薄い膜のような「脳」を発達させています。この「大脳新皮質」が「認識」という働きをおこないます。どのようにおこなうのか?というと、それはちょうど、「手作業のアニメの漫画づくり」「パラパラマンガ」と同じ原理です。

 物や生きものの形の線や面が、少しずつ変化することと、そのパターンを五官覚の一つの、目の視覚が「知覚」します。これは、右脳系の「Y経路」(視覚の知覚神経)による「パターン認知」です。「パターン認知」とは、ものごとを統一して構成するという認知をおこないます。この「パターン認知」が右脳系の前頭葉に表象します。自律神経の恒常性は、「短期記憶」(短期の行動)にも「長期記憶」(長期の行動)にも働きます。

 長期記憶(長期行動)の場合は、くりかえし同じ行動をするときの対象を「見る」などで知覚すると、オペラント条件反射が働いて「記憶のソース・モニタリング」として、その対象の記憶を表象させるでしょう。「以前の記憶と同じものだ」とパターンの特質を「記憶する」というのが「認識」です。これは、「認知したイメージ」をさらに対象化してその「イメージ」そのものを記憶する、という原理です。

 「認識」とは、現実の物事を「直接に分かる」ということではなく、頭(右脳系の前頭葉)に表象(ひょうしょう)されるイメージを記憶の対象にすることだ、と理解しましょう。

 ピアジェの観察した乳・幼児の「行動」の発達は乳・幼児自身の生理的身体の「運動機能」の発達に正比例しています。まず「聴覚」と「舌・口を中心とする触覚」、次に「視覚」と「手、指を中心とする触覚」、というように、つねに、「ウェルニッケ言語野の触覚の認知」を記憶の裏付けにして発達します。乳・幼児自身の行動の能力が「長期記憶」(長期行動)を可能にするにつれて、そして、その「行動の対象」が空間性のカテゴリーを拡大するにつれて、「カテゴリー」というものの「パターン認知」を「認識」の対象にします。

 「猫は部屋の中を動く」「犬は、庭の中を動く」「鳥は、空という空間を動く」というときの「部屋」「庭」「空」などが「カテゴリー」です。「猫は、自分が動いていくと触れる」「犬は、自分が庭に行かなければ、触れない」「鳥は、自分が動いて行けない空間に飛び立つので触れない」というのが「カテゴリー」の中のパターン認知です。これらのイメージが表象されて認識されるとき、「部屋の中にあるもの」「庭にあるもの」「空にあるもの」というカテゴリー別の「認識」が可能になるでしょう。

「言語にとって美とはなにか」の理論の解説

 このような「認知」というイメージの表象を記憶の対象にするという認識の「メカニズム」を初めて明らかにしたのが吉本隆明の『言語にとって美とはなにか』(勁草書房)です。

 要旨となるところをご紹介します。

@ 器官的、生理的な次元の発達は、労働の発達にともなう自然としての人間の発達である。

A 同時に、人間は、意識の次元の強化、発達もおこなってきた。

B 意識の発達とは、自己を対象化することができるという能力の発達のことだ。

C この、自己を対象化する能力とは「自己表出性」と呼べるものだ。

D 「自己表出性」とは、「有節音声」を発するものだ(注・五官覚の視覚の記憶の表象が自己表出性だ。これが長期記憶の表象となった時に、聴覚によって記号的に認識される、ということ)。

E 「有節音声」(日本語ならば、a,i,u,e,oの母音(ぼいん)。欧米語ならば、この母音(ぼいん)に加えて、p,b,t,dの子音。閉鎖子音という)は言語としての条件をもつ。

F 言語の条件をもつ「有節音声」は現実的な対象との一義性をもたない(注・なぜかというと、右脳系の前頭葉に、思い浮べられるイメージだからだ)。

G この言語の条件をもつ「有節音声」(母音・子音のこと)は、対象の像を指示できるものだ。(注・行動の必要、あるいは欲求が起こったときに、右脳系の前頭葉に、長期行動のイメージとして表象するということ。長期行動とは、一過性の行動ではないので、食糧を入手する、などのように、現実の対象と一義性をもつけれども、しかし、この段階では、目の前にその現実の対象は存在しない。この意味で「指示される対象の『像』」とは、抽象概念と、その「意味のイメージ」のことだ、ということになる。)

■このように「有節音声化された聴覚の記号」(日本人は、母音中心の記号。欧米人は、子音によって拡大した記号のことです)が、再び「右脳系の前頭葉」に「表象」(ひょうしょう)されつづけることが、ヘーゲル、マルクス、吉本隆明のいう「幻想」です。

 聴覚によって記号化された母音や子音が「3人以上」(つまり社会化ということです)で合意されると「共同幻想」というわけです。そして、これが「言葉」(書き言葉になって言語)になります。

 ここで、お伝えしているのは、「認知」と「認識」は、脳の働き方のメカニズムから見ると「セット」になっているということです。

 「認知」は、「認識」にとって「意味」となります。なぜならば、「意味」とは「右脳系に思い浮ぶイメージ」のことです。

 認識(概念)に対応するそのイメージは、必ず、行動が可能な現実の対象とむすびつく(つまり、一義性をもつ)ものであるからです。

「ウェルニッケ失語症」を日本語の文法はつくりだす

 日本語(和語)のもつ問題は、「認知」はおこなっても、しかし、「認識」が欠如しているということだということができます。その例をご紹介します。

◎ウェルニッケ失語症とジャルゴン失語症の例
(『脳のしくみとはたらき』クリスティーヌ・テンプル、講談社・BLUEBACKSよりアレンジ)

 「私はこのときが初めてです。

 この初めてのことを何年も、初めて考えました。私は、きわめて健康ですが、病気であろうと思います。仕事に行ければ健康です。しかし、仕事に行くとトレーニングをしています。トレーニングは、私のものとなりました。

 問題は、トレーニングをしているのに落ちてしまって、何も思い出せないのです。私は、この落ちたことを憶えていません。このシステムは、経験したことがありません。」

 クリスティーヌ・テンプルは、「ウェルニッケ失語」をこう定義します。

  1. 話すことは、たいへんなめらかでスムースである。
  2. しかし、話されることの内容は理解するのが困難である。
    適当ではない意味不明の「言葉」「脈絡をつくる言葉」が言いあらわされることが原因である。
  3. 本人にも、聞いている人にも意味を説明できない言葉を「ジャルゴン失語」という。

 日本語の文法は「ウェルニッケ失語症」をつくりやすい、ということをのべています。ちなみに「ブローカー失語」は、「話すこと」がなめらかではなく、断片的であり、聞き手に求められている説明の言葉が言いあらわされない、というものです。

 日本人の「ウェルニッケ失語」のモデルとして、「年金激震!」(『東洋経済』2009・10・3号)をご紹介します。

「認識」のバイアスの事例・「年金問題」

@ 坂本純一(野村総合研究所・主 席研究員)

◎社会保険制度はなぜ生まれたのか

?われわれの日常生活では、自己責任によらずに貧困化する契機というものがある。病気になり治療を受けて医療費を支払い、家計が困窮するといったケースだ。あるいは会社が倒産して失業し、収入が途絶えるというケースである。このような自己責任によらない貧困化の契機を、人生における経済的リスクと呼ぶことができる。

?人生における「経済的リスク」とは次のようなものだ。
収入の途絶…「高齢で職業生活から引退したとき」「障害を負って働けなくなったとき」「病気で働けなくなったとき」「家計維持者が死亡したとき」「失業したとき」
支出の増大…「病気やけがで治療したとき」「出産したとき」「子育てをするとき」「介助を要する状態になったとき」

?「公的年金制度」は、「人生におけるリスク」に遭遇した人に「給付」をおこなうことにより、これらの人が困窮化しないようにすることを目的とする「社会保険制度」の一つである。

?その特色はこうだ。
本人の意向(いこう。このようにしたらどうか?という考え。思わく。「思わく」とは主観的な予測のこと)にかかわらず、強制的に「制度」に加入すること、強制的に「保険料」を徴収されること、だ。これにより、「高齢による体力低下」「障害か、長期療養」「家計維持者の死亡」のいずれかに遭遇したとき、「権利」として、収入や財産に関係なく「給付」を受け取る、というものだ。

?この「権利」として給付を受け取ることができる点が重要だ。受給者に差別感情が生まれないように配慮されている。この点が「生活保護」と決定的に異なる。

?「生活保護」の場合にはどうしても自他ともに「一人前ではない」という感情が生まれる。差別意識や不安定な社会基盤につながる。

?「社会保険制度」は、人々が困窮化することを「防ぐこと」を目的とするのに対して、「生活保護」は、すでに困窮化した人を救済するのが目的である。

「年金」のシステムの歴史と本質

?「社会保険制度」はなぜ生まれたのか。
18世紀から19世紀初めにかけて、イギリスで産業革命が進行した。工業化による大量生産は、都市への人口流入をひきおこした。それまでは農業中心の社会だった。その大家族制を崩壊させた。
都市に出た労働者は、会社の倒産、高齢で働けなくなると困窮化した。家族の一員が病気になると多額の医療費を支払った場合にも困窮化した。
こうして都市にはスラムが出来た。労働争議が頻発して、社会主義運動が生まれた。

?産業革命は欧州大陸諸国、アメリカにも広がる。同じように都市の労働者の貧困が問題となる。アンデルセンの童話に『マッチ売りの少女』の話が出てくる。アンデルセンが
19世紀の後半に体験した工業化にともなう社会問題を童話にしたものだ。

?このような中で、19世紀の後半に「統一ドイツ」の宰相となったビスマルク(オットー・フォン・ビスマルク)は、社会的な試みをおこなった。ビスマルクは、産業革命を進展させ、経済成長を達成するために、社会主義革命の動きを封じ込める狙いをもって、試みを実施した。
試みとは次のようなものだ。
「全ての労働者を国が実施する保険制度に強制的に加入させる。賃金に応じて保険料を負担させる。人生における経済的リスクに遭遇したときには、権利として給付を支給する。」
「社会全体で、人生における経済的リスクに遭遇した人を支えれば貧困の問題が解決するのではないか」

?ビスマルクは、これを段階的に実施した。
1883年…医療制度
1884年…労災保険
1889年…年金保険
ビスマルクの試みの効果が認識されるにつれて、20世紀の前半に多くの国に、同様の制度が導入された。

◎日本の導入
1922年…健康保険法の制定
1941年…後の「厚生年金保険制度」の基になった「労働者年金制度」の制定

?「社会制度」としての「公的年金制度」に求められる他の重要な要素に「給付の十分性(adequacy)」がある。「給付に十分性」がなければ人生の経済リスクに遭遇した人の困窮化を防ぐことができない。その場合、そもそも国が介入してこのような制度を実施する意義が失われる。
具体的には、「給付額」が賃金や物価の水準に応じて改定される「スライド制度」が「公的年金」には具備されている。
これも「民間保険」では実現できない「公的年金制度」の側面と役割だ。

?90年代の後半以降、「個人勘定の積み立て方式による公的年金制度が、世代間の公平性の点からも好ましい」とする立場があらわれた。そして、南米や東欧の一部の国でこれを採用する国があらわれた。
しかし、この議論は「貯蓄」や「民間保険」では貧困の問題が解決できず、そこでビスマルクの試みに至ったという「公的年金」の歴史的展開を無視した議論だ。
最近の「金融危機」がこれを証明した。このような方法は「基本的な所得保障」になりえないことを多くの人が体験したと思われる。

認識のバイアス「ウェルニッケ失語症」の事例

A 細野真宏(ほそのまさひろ・予備校・数学講師。政府委員の体験を基に『「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?』を上梓した)。

◎民主党は、年金問題を我田引水的に”利用”した

?私が「年金問題」を真剣に考えるようになったのは昨年(平成20年)、総理直轄(ちょっかつ・権威によって直接に支配すること)の「社会保障国民会議」の委員になってからだ。会議に参加するまでは、私自身も「このまま未納者が増えていけば、今の制度では立ち行かなくなるのは明らかだ」と漠然と思っていた。
しかし、その「認識」が完全に変わったのは、昨年(平成20年)5月に、「国民会議」で「年金シミュレーション」が公表されてからだ。
この「年金シミュレーション」が明らかにした最大の事実とは「日本で年金の専門家と呼べる人はほとんどゼロだった」ということだったのだ。

?平成20年5月19日の「国民会議」とその翌日におこなわれた「厚生労働省の社会保障真偽会議・年金部会」の議事録を見ればよく分かるが、『年金の数理モデル』を理解している人は、マスコミだけでなく、学者でもほとんどいなかったのだ。

?「国民会議」に呼ばれた「日本経済新聞の年金担当の論説委員」は、直接、説明を聞いた。しかし、それにもかかわらず、「保険料の未納問題で、日本の年金制度は破綻する」という昨年(平成20年)の「1月」の「日経の社説」を強調して説明していた。
この時点でも「年金の仕組み」を「認識」していないことを意味する。
そして、「朝日新聞」「読売新聞」の「年金担当者」も呼ばれた。誰も、この「日経新聞」の発言の「認識」の間違いに異議を言わない。そのまま会議は進んだ。

?さらに「年金の専門家」が集まって議論する「年金部会」。
ここでも「なぜ、なぜ、なぜ、未納が増えても年金制度が破綻しないのか?」というような根本的な認識にかかわる質問が多くなされている。
昨年(平成20年5月時点)で「国民年金の未納率は、ほとんど年金財政に影響を与えない」という認識の事実と、その理由を、「厚生労働省の担当者」以外で正確に認識していたのは「国民会議」で『年金シミュレーション』をおこなうことを提案した「慶大・商学部教授・権木善一(こんじょうぜんいち)」のみだったのだ。
昨年(平成21年)の5月までは、ほとんどの人が「年金の制度」を知らない状態で「年金制度」を説明し、新聞にも書かれていた。

「未納が年金制度を破綻させる」のバイアス

?「未納が増えれば年金制度が破綻する」「少子高齢化が進めば年金制度が破綻する」など、「年金破綻論」にいまだに多くの人が疑いを持たないことには、「年金」特有の深刻な理由もある。「年金破綻論」ほど、「明らかだ」と錯覚してしまう「命題」は珍しい。これは、世界有数の「認識」の「ひっかけ問題」だ。
人は、一度「こうだ」と思い込むと、以後ずっとそれを前提にものごとを判断していく。この「認識のバイアス」から逃れなくなる。

?「少子高齢化が進む日本では現状の『仕送り方式』は維持できるはずがない」という論の認識バイアスについて。
◎論点

  1. 1961年に国民年金が出来たときの人口構成はきれいなピラミッド型だった。
  2. 少子高齢化でこのピラミッド型が崩れた。
  3. 2007年には「2・7人」で「高齢者1人」を支える状態になる。

?これは、認識の欠落しているイメージだけのおおざっぱな説明だ。これを「論理的な説明だ」と思い込んでいる日本の現実がある。
◎正しい認識の仕方

  1. 「年金」はもっと精緻な試算で考察できるものだ。
  2. 今年生まれた赤ちゃん、1歳児、2歳児などの人口も分かっている。
    「数理モデル」として先々の見通しをデータにもとづいて推計できる。
  3. つまり、「年金」の推計は、当然のことながら「現在の少子高齢化」を織り込んでいる。
    重要なのは、「どの数字で計算するのか」が問題になる。
    具体的な出生率の数字を踏まえて考察しないと認識の意味をなさないのだ。
  4. 2005年に記録した「1・26」という過去最低の数字が中期的な見通しとして使われている。
  5. しかし実際の数字はどうか。
    2006年…1・32
    2007年…1・34
    2008年…1・37
    と改善している。
民主党がキャンペーンに利用したバイアス

?民主党の「嘘」が通用しやすい現行制度の批判
1.「実際の納付率は6割近くだ。しかし、現行の試算は今後8割になるとのデタラメな甘い見通しを基にしている。現行の年金制度は破綻している。だから民主党に変えないといけない」(民主党)。
◎論理破綻の内容・I

  1. 民主党は「歳入庁」を作り、「税金と年金の保険料をセットで強制徴収する」と公約する。
    すると、あと数年後には、「年金の未納者」は限りなくゼロに近づくはずだ。
  2. だから民主党は、「納付率6割で計算しろ!」と批判するのではなくて、納付率は8割でなく、「10割で計算しろ!!」と本来は「数字の上方修正」を求めるべきだったのだ。
  3. 当然、そうなると現行制度はさらに「安定」に向かい、「民主党に変えないといけない」という「我田引水的な論理」は通用しなくなる。

◎民主党の論理破綻・II

  1. 今後の「年金制度」の持続性を考える際に重要なのは「出生率」に加えて「経済成長率」という二つのパラメータ(変数)の推移だ。この二つのパラメータの数字の前提によって「賃金上昇率」「運用利回り」なども決まってくるからだ。
  2. 現行の「年金」の「数理モデル」で「実質経済成長率」はどれくらいの見通しで計算しているか。
    現行の「数理モデル」のパラメータ(日本の中長期的な経済成長率)の前提…「0・8%」
  3. 民主党の発言「2%くらいの成長は、何とか成し遂げないといけない。」
  4. この「2%」を前提にして「現行の年金の試算は甘すぎる」と批判する。
  5. つまり、「2%」は非常に高水準の「実質経済成長率」であるために、完全に矛盾することになる。

◎民主党のネガティヴ・キャンペーン「年金制度」を「民主党案」に変えると「年金の見通しがバラ色に変わる」という印象をもっている人もいるようだ。

◎「年金」には「落し穴」が多くある。「年金破綻」をあおりたいだけの批判は、一見すると「もっとも」に思えても「論理飛躍」や「論理破綻」が容易に見えてくる。

  1. 「民主党案」に変えたところで「年金の枠組み」を変えることにすぎない。「出生率」と「経済成長率」という二つのパラメータには何の変化ももたらさない。
  2. 「年金制度」の安定性においては「民主党案」も「現行制度」も何ら変わりはない。
エクササイズ
正しい「認識」の知性の磨き方とはこういうものです

■ここまで、「年金問題」の総論に当るところを順序立ててお話しました。「各論」に当る具体的な内容については、次の本ゼミでお話します。

 「総論」となるところでご理解していただきたいことは、「認識」という分かり方は、日本では相当程度の見識をもっていると自負しているメディア、学者、識者の間で起こりやすいということです。

 それが政治的な動きにはめこまれると、メディアが集合してキャンペーン化されやすいという現象が起こります。

 メディアが別のテーマに関心を移したり、「政治意志」が自己都合でキャンペーンを修正しても「認識の改善」は放置されたままになるでしょう。すると、「バイアスの認識」を記憶すると、細野真宏(ほそのまさひろ)のいうように、「それを前提にものごとを判断する」ようになる、「その認識のバイアスから脱け出せなくなる」ということが本当に深刻な問題になります。

 「年金の制度」は、社会保障制度なので、いくつかの基本的な知識が必要です。それは、「定年後に働きつづけると減額調整がある」(総報酬月額相当額が28万円を超えるとカットされる。48万円を超えると全額カットとなる、等)、「所得代替率」(現役時代の平均所得にたいして給付水準が何割になるか?というもの)による「給付水準がある」といったことです。

 そして、「年金制度」は、「保険料」を支払って、その上で成り立っているシステムであるということです。その具体的なところは、『東洋経済』誌の取材と検証をとおして、次のゼミのテーマにします。

 重要なことは、国語学者・大野晋のいうように、日本語の文法は、「漢字・漢語」が抽象的な意味をもつとき「ものごと」の「カテゴリー」を一つだけか、あるいは、「カテゴリー」の概念を不問にして「認識」のなにごとかを語りやすい、ということです。

◎認識…Aについて判断するときに、類似した『A』とを比較する。その比較の差異、違いを「概念化」して新たな「抽象のA」とする。このとき、「A」と『A』との比較とその差異を説明すること、もしくは、その差異を述べて前提として説明すること。

日本人の「認識のバイアス」の改善点とはこういうものです

 このように認識を確定しないで話すのが「ウェルニッケ失語症」です。ここでは、言葉にたいしての不適合が生じます。話は流暢(りゅうちょう)であっても意味不明の言葉が語られるでしょう。発声の韻律が乱れて意味の脈絡が欠落します。

 すると、現実のものごととの関係はきわめて表面的となり、実体のともなう関係は不成立となります。
 その好例は次のようなものです。

櫛(くし)も見じ屋中(やぬち)も掃かじ
草枕旅行く君を斎(いは)ふと思ひて
(「万葉集」)

高麗錦(こまにしき)紐の結びも解き放(さ)けず
斎(いは)ひて待てどしるしなきかも
(「万葉集」)

 前者の歌は、アニミズムの「感染呪術」(かんせんじゅじゅつ)、後者は「類感呪術」(るいかんじゅじゅつ)の例です。

 ものごとの対象についての「認識」が欠如すると「自分の行動」に「思い」(呪術)を収斂(しゅうれん)させるということに価値や「認識の意味」を見出します。このような関係意識が「ブローカー失語症」を生成するのです。

ゼミ・イメージ切り替え法 NEWSLETTER 第236号 一部掲載

関連
日本語の文法の解体学・II 『言語にとって美とはなにか』


連載
前回:日本語の文法理解と教育法 「ハーバード流交渉術」・IV
次回:「年金激震!」・2 「言語にとって美とはなにか」2

参考:脳の働き方の学習のご案内

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女性の脳の働きが伸ばす「人格=パーソナリティ」を目ざましく発達させる!が教育の方針です。 女性が社会性の世界(学校・仕事・社会の規範・人間関係のルール・合理的な思考)と、知的に関われる!を一緒に考えつづけるカウンセリング術です。

ストレスを楽々のりこえる女性の「脳」を育てる!!が教育の人気の秘密です。女性は、脳の働きと五官覚の働き(察知して安心。共生して気持ちよくなる)とぴったりむすびついて、一生、発達しつづけます。


脳と行動の診断

人の性格(ものの考え方)が手に取るように分かる「心の観察学」

心の病いに感染させられない「人間の関係学」がステキに身につきます。

心の病いを救出する、心と心をつなぐ「夢の架け橋術」

相手に好かれる「対話術」がまぶしく輝くので、毎日が心の旅路。

相手の心の働きのつまづきが正しく分かって、「正しい心の地図をつくれる」ので、損失、リスクを防げます。

性格のプロフィールが分かるから正しく「教え・育て・導く」ができる本物の社会教育の実力が身につきます。


よくある質問

学校に行くとイジメがこわいんです。私にも原因ありますか?

怒りっぽいんです。反省しても、くりかえしています。治りますか?
脳と心の解説

「仕事・人生・組織に活かすカウンセリング」です。他者の心身のトラブルを解消できれば、自然に自分の心身のトラブルも解消します。

プロ「教育者」向けのカウンセリング・ゼミです。
人間は、誰でも「気持ちが安心」しないと正しく「ものごと」を考えられません。

「脳を最大限に発達させる」が教育の狙いと目的です。「指示性のカウンセリング」とは、 「一緒に考える」「共感し合って共に問題を解決する」カウンセリング術です。ものごとには「原因」(脳の働き方)があるから「結果」(心身のトラブル)があります。

「脳の健康を向上させる」、が教育のテーマと目標です。「指示性のカウンセリング」は、「考えたことを実行し、考えないことは実行しない」 という人間の本質を、最後まで励まし、勇気づけるカウンセリング術です。

脳の働きがつくる「人格=パーソナリティ」を育てる!が教育の方針です。
「指示性のカウンセリング」は社会性の世界(学校・仕事・社会の規範・人間関係のルール・合理的な思考)と正しく関わる!を一緒に考えつづけるカウンセリング術です。

ストレスに強い、元気に働く「脳」に成長させる!!が教育の魅力です。
「指示性のカウンセリング」は五官覚(耳、目、手、足、鼻)を正しく発達させて、言語の能力も最高に発達させるカウンセリング術です。


脳と行動の診断

「心の病いの診断学」が楽しく身につきます。

心の病いの予防と解消の仕方の「人間の理解学」が身につきます。

心の病いに気づける「人間への愛情学」が驚くほど身につきます。

「交渉術」の知性と対話の能力が目ざましく進化しつづけます。

相手の心の病理が分かって、正しく改善できるので心から喜ばれます。「心の診断術」

病気になるということ、病気が治るということが正しく分かる、最高峰の知性が身につきます。


よくある質問

朝、起きると無気力。仕事にヤル気が出ません。うつ病でしょうか?

仕事に行こうとおもうと、緊張して、どうしても行けません。治りますか?
バックナンバーの一部を9期後半分より、随時掲載していきます。
詳しくは下記をクリック
 ゼミ・イメージ切り替え法
 バックナンバー第7期まで
 バックナンバー第8期から
 ゼミ・イメージ切り替法の詳細
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 自立した女性の性と家庭教育ゼミ
 カウンセラー養成ゼミ
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 戦う男性の社会教育ゼミ
入会も随時受け付けています。
入会と同時にご希望のバックナンバー等、ビデオ(DVD)学習で、学んでいただけます。


ゼミの見学、ゼミのバックナンバービデオ(DVD)試聴も無料です
ニューズレターと共にお送り致します。 詳しくは「入会案内」をご覧下さい。
ポルソナーレのゼミの様子をYouTubeに公開しました。

脳を発達させる日本語トレーニングペーパー

一部公開しました。
トップページ NEW! 年間カリキュラム 学習の感想と学習成果 「日本人の思考」と「谷川うさ子王国物語」と「グローバル化の恐怖」
学習内容(サンプル) 「言葉」 日本語の影響。その仕組みと感情、距離感、人間関係について
「脳を発達させる日本語トレーニング・ペーパー」の役立て方の資料
『分裂病の自己診断表と自己診断』
男性に嫌われない女性の話し方
女性に嫌われない男性のしゃべり方
を教えます

ポルソナーレのマスターカウンセリング

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「第19期」(平成29年・2017年)ゼミ、開講中!
受講生の皆様へ 平成25年冬版 ポルソナーレからの真実の愛のメッセージ
受講生の皆様へ 平成25年5月5日 版 ポルソナーレからの真実の愛のメッセージ 詳しくはこちら!
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時代の病理デウスドクター初期ノート ハンナ・アーレントの哲学入門 『人間の条件』 谷川うさ子
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