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カウンセラー養成ゼミ NEWSLETTER 第203号
10期16回め平成20年9月27日

ハーバード流交渉術・脳の働き方と言語の学習回路
浅見鉄男「井穴刺絡・免疫療法」

脳の働き方・言葉の生成のメカニズム
話し言葉の生成・III
『幼児の算数』(遠山啓・栗原九十郎)

はじめに

 カウンセラー養成ゼミ、中級クラス、スーパーバイザーカウンセラー認定コース、Aクラス、18のゼミをお届けします。
 脳の働き方のソフトウェアのメカニズムの解明をレクチュアします。
 前回は、「話し言葉の生成のメカニズム」を明らかにしました。遠山啓、栗原九十郎の「幼児への数の教え方、算数の教え方」の理論と実技をとおして、脳の言語領域で認知と認識の「記憶」が変わることを説明しました。
 今回は、「脳のソフトウェアのメカニズム」と「話し言葉」の「メタ言語」の成立の仕方をお話します。

ポルソナーレ代表田原克拓

本号の目次

  1. 「話し言葉」とは、「意味」のイメージを表現して、共時的に表象することです
  2. 「記憶」についての基礎知識
  3. 「X経路」と「Y経路」についての基礎知識
  4. 人間は、誰でも平等に同じ脳の働き方をもっている
  5. 「教育」と「学習」が、脳をどのようにも働かせる
  6. ブローカー言語野の「3分の1」と「3分の2」のゾーンについて
  7. ブローカー言語野「3分の1のゾーン」
  8. ブローカー言語野「3分の2のゾーン」
  9. 「空間性」の学習の必要性
  10. 言葉の「学習」と「生成」の違いについて
  11. ポルソナーレ式イメージ療法(プログラム) 「うつ」の思考パターンを改善するイメージ療法

脳の働き方・言葉の生成のメカニズム
話し言葉の生成・III
『幼児の算数』

(遠山啓・栗原九十郎、国土社・刊よりリライト・再構成)

「話し言葉」とは、「意味」のイメージを表現して、共時的に表象することです

 本ゼミでは、「話し言葉」というものは、脳の中でどのように生成されるものか?について考察して解明してきました。

 「話し言葉」のいちばんの特質は何か?といいますと、「話した」その瞬間に「音」(発声)が消えてしまう、というものです。

 ここが「書き言葉」と大きく違っているところです。「話し言葉」は、話されたその瞬間に次々に消えていく、というところに最大の特質があります。しかし、「話し言葉」は、話した人も、これを耳で聞いた人も脳の中に何ごとかを記憶しています。その記憶しているものとは何か?を明らかにすることが、「解明」とその「実証」になります。

 これまで、皆さまとご一緒に解明してきたことから、「記憶」ということについて整理してまとめてみると、こんなふうになります。

  • 「記憶」とは、「短期記憶」と「長期記憶」との二つがある。
  • 「短期記憶」とは、一過性の行動しかおこなわないための記憶のことである。
    (例・「一回しか会わない」「ごくまれにしか食べない」、「一度しか行かない場所」など。したがって、「丸暗記」は「短期記憶」である。試験やテストに回答するという一過性の行動のために記憶するからである)。
  • 「長期記憶」とは、くりかえされる行動のために憶える記憶のことである。
    (例・「好きだから食べる」「快感に感じられるから忘れられない」「場面や状況が変わっても、その現実に適合した行動がおこなえる」「反復してくりかえし行動するためにスピードで、反射神経をともなって行動できる」、などである)。
「記憶」についての基礎知識

■ここでのべている「短期行動」と「長期行動」には、病気か健全かの区別はありません。人間の行動は、「快感原則」を動機と目的にしていることは、すでによくご存知のとおりです。すると「健全な行動」の場合は、「右脳の前頭葉眼か面」からドーパミンが分泌する脳の働き方のことです。「A10神経」がドーパミンを分泌させます。「病的な行動」の場合は、「右脳系のブローカー言語野の3分の1のゾーン」(おもに右脳系の側頭葉の位置)と、大脳辺縁系の中隔核、扁桃核がドーパミンを分泌させます。ブローカー言語野の「3分の1のゾーン」は、側頭葉のウェルニッケ言語野に隣接してつながっています。ウェルニッケ言語野とは、「皮ふ感覚」の情報と刺激の「触覚」を記憶します。ブローカー言語野の「3分の1のゾーン」は、ウェルニッケ言語野を「視覚のイメージ」に変容させた中枢神経群です。「ブローカー言語野」ではA10神経がドーパミンを分泌させるし、大脳辺縁系ではA9神経がドーパミンを分泌させることは、すでによくご存知のとおりです。

 すると、「記憶」とは、さらに「神経系」の次元の記憶の仕方が特定化されます。次のようにです。

  • 触覚系の対象についての記憶…「手で触る」、「舌で味わう」「匂いの記憶」「皮ふ感覚の知覚」など。
  • 視覚系の対象についての記憶…おもに「目で見る」という対象についての記憶。
  • 聴覚系の対象についての記憶…おもに「耳で聞く」という対象についての記憶。
「X経路」と「Y経路」についての基礎知識
 「触覚系」「視覚系」「聴覚系」というのは、「Y経路」と「X経路」の知覚の仕方によって内容が変わることはよくお分りのとおりです。「Y経路」というのは「動き」とか「動きの変化」「遠くにあるもの」などについて記憶します。「X経路」というのは、「近くのもの」「こまかいもの」「形のつくられ方」「色」「光や影」「大きく拡大してとらえる」、といったことについて記憶します。

 この「Y経路」と「X経路」によってとらえられた対象は、「海馬」に記憶されます。「海馬」は、「右脳系の海馬」と「左脳系の海馬」とに分かれていることも、すでに、みなさまはよくご存知のとおりです。

 「Y経路」と「X経路」を、「記憶」をキーワードにして整理すると、次のとおりになります。

  • 脳の交叉支配により、左目は「Y経路」を中心に働いている。「右脳」に通じている。
  • 脳の交叉支配により、右目は「X経路」を中心に働いている。「左脳」に通じている。
  • だが、「右脳」にX経路の知覚情報が送られないということはない。「目で見る鼻側の視野」は「X経路」である。
    「物を手に取る」とか「物を食べる」など、ウェルニッケの触覚による関わりをおこなうときは「右脳でもX経路」が記憶にかかわる。
  • 同じように「左脳」にY経路の知覚情報が伝わらないということもない。「目で見るとき、顔の外側の視野」は「Y経路」である。
    「夏。セミが鳴いている。どこにいるのかな?とセミを探すときは、Y経路が機能している」「秋。中秋の名月が出ている。今年も秋だなあと空を見上げるときは、Y経路が働いて記憶にかかわる」。
人間は、誰でも平等に同じ脳の働き方をもっている

■このようにみてみると、脳のハードウェアとしてのメカニズムは、脳のどの領域も中枢神経もバランスよく、安定して働いていることが分かります。心の病気だから「X経路しか働かない」もしくは「Y経路が中心に働いている」といったことはないことがよくお分りでしょう。

 「右脳」にしても、「左脳」にしてもこの働き方のメカニズムは同じです。「右脳中心だから」といって「左脳が働いていない」ということではありません。

 しかし、前回の本ゼミでケースとして取り上げた遠山啓(ひらく)の批判する「数」(かず)の「数え主義」「数(かず)の唱え主義」などの欠陥は、やはり「脳の働き方」から生成されます。それは、「X経路」と「Y経路」のどちらがよりウェイトをかけて働いているのか?ということに起因する「記憶」の問題になります。

 「X経路」はごらんいただいたように、「近くのものを見る」「物を食べる」などのような関わり方のときに機能します。これは「ウェルニッケ言語野」を中心にした「ブローカー言語野」の『3分の1のゾーン』が記憶にかかわっているという脳の働き方になります。「メタ言語」としてみると「クローズアップしてイメージする」「ものごとを自分の皮ふ感覚に接触させて了解する」といったときの記憶の仕方です。これは、「対象」と「自分」の間には、ほとんど距離が無い、というとらえ方になります。

 すると「X経路」は、ブローカー言語野の『3分の1のゾーン』だけで記憶するときの働きをになっているということができます。

 「Y経路」は、「ブローカー言語野」の『3分の2のゾーン』での記憶をになっています。「ブローカー言語野」の『3分の2のゾーン』は、側頭葉ではなく、前頭葉から「頭頂葉」にかけて分布している中枢神経のゾーンです。おもに、頭頂葉の働きが関与しています。車のナビゲーターのように、刻々と距離を表象し、角度を変えた状況をイメージし、方向性を示しつづける、というメカニズムが「ブローカー言語野」の『3分の2のゾーン』での記憶の内容になるのです。

 このX経路(ブローカー。3分の1)と「Y経路」(ブローカー。3分の2)のどちらでものごとを記憶しているのか?が、脳の働き方を「メタ言語」から見たとらえ方になるのです。

「教育」と「学習」が、脳をどのようにも働かせる
 遠山啓(ひらく)は、脳の働き方とは、「学習の仕方による記憶のことだ」とのべています。

 『幼児の算数』(国土社・刊)(遠山啓・栗原九十郎)で、「ブローカー言語野・3分の1のゾーン」と「ブローカー言語野・3分の2のゾーン」のどちらに、どのように「教育する」のが望ましいか?ということについて、次のように書かれています。

  1. 「いち」「に」「さん」といった数詞があらわしている最も重要なものは「大きさ」(集合・量)である。「順番」ではない。「いち」(1)というのは「一つの大きさ」をあらわしている。「に」(2)というのは、「2の大きさ」のことをさしている。「一番目」「二番目」という意味は第二義的である。英語では「two」(2)と「second」(2番目)とでは明らかに区別されている。
    • 日本では、量(集合)も順序も「いち」「に」「さん」という言葉でいいあらわす。
      使い方がでたらめになっている。
    • 集合(量)の大きさを「いち」「に」「さん」といい、順序をあらわすときも「いち」「に」「さん」といっている。
    • 日本では、「順序」を教えることから指導している。
    • 「タイル」(厚紙で作った2センチ四方の四角形。数の量としての「1」(いち)に対応する。Schema(シェーマ)という。量としての数を表象(ひょうしょう)させるイメージの具体物になる。半抽象物ともいう)の「2個」をくっつけて並べてみる。これは「2の集合」である。これを、左の「タイル」から順に「いち」「に」と唱えると「二つ目のタイル」だけが「2」だと思い込む間違いが生じる。
      実際は、「一個のタイル」を二個集めた集合が「2」の「大きさ」である。日本の子どもは「二つ目のタイル」を取り出して、これは「1」であるにもかかわらず「に」(2)であるという誤った「認識」を記憶している傾向がある。
  2. 「ワッペン並べ」(「対応」と「位置」について学習させる指導法)
    • キャラメルの景品についている「バッジ」「ワッペン」をたくさん持っている子どもがいるだろう。
      この「バッジ」「ワッペン」をいくつか用意する。
    • 同じ「方眼」(紙の上に、たて「3マス」よこ「5マス」を描いたもの)を二枚用意する。一枚は指導する人間が用いる(Aの「方眼」)。一枚は子どもが使用する(Bの方眼)。
    • 指導者は、Aの「方眼」のマスの中に楽しいお話をしながら、ダンボ、ドナルド・ダック、ミッキーマウス、バンビなど(合計6個くらい)を任意に並べる。
    • 「これと同じようにワッペンを置いてください。同じワッペンが無いときは違うものを置いてもいいですよ」と指摘する。
    • これは、単なる「数の対応」だけではない。「物の置き場」(位置)についても「等しい条件」にすることを学習する。
    • 幼稚園の始祖といわれているフレーベルもこのような学習が子どもにとって重要であることを指摘している。「数」(かず)ばかりではなく、「空間の学習」に役立つからだ。
    • ポルソナーレ注・「空間の学習」とは、「位置関係」「方向意識」「距離についての理解」のことである。
    • この「空間認知や認識の学習」がうまくいかない子どもへは、学習の前段階として「おままごとで、おちゃわんを定位置に置く」「マッチの軸を見本と同じように並べる競争」「線画を見本と同じように描きっこをする」なども同じ学習効果の意味をもつ。
ブローカー言語野の「3分の1」と「3分の2」のゾーンについて

■ここで遠山啓(ひらく)と栗原九十郎がのべていることは、「脳の働き方」に置き換えて「メタ言語」として説明することができます。

 @では、「量としての数(かず)」と「順序数」のことが説明されています。「いち」「に」「さん」(「1」「2」「3」)という数(かず)の数称は、日本語では「量としての数」についても「順序数」にたいしても同じように言いあらわされていると指摘されています。

 「一番目」、「二番目」という「順序数」と、「集合としての数」(ミカンの1も、リンゴの1も同じ1(いち)である。「ミカンが1個」、「リンゴが1個」の集合は「2」(に)である、ということです)の区別がないということが指摘の内容です。

 「順序数」とは何のことでしょうか。

 「船」が海上を走る速度をあらわす単位は「ノット」です。

 この「ノット」とは「結び目」のことです。ネクタイの「結び目」も「ノット」です。昔、船の走る速度を言いあらわす時に、「長いナワ」に一定度の長さごとに「結び目」を作りました。この「一つめの結び目」と「二つ目の結び目」のことを「ノット」という「速さ」に言いあらわしました。一定度の長さごとに「結び目」を作りました。この「一つめの結び目」と「二つ目の結び目」のことを「ノット」という「速さ」に言いあらわしました。「ノット」とは「距離」という単位を言い換えたものです。

 「幼児」に「順序数」について教えるとすると、「一定の長さという量」を教えなければならないということを意味しています。「唱え主義として順序数を教える」ことには、「ノット」の単位を「量」としてあらわす裏付けが無いということが指摘されています。裏付けとは「実物」とか「実体」とむすびつく、ということです。

 バラの「タイル」(タイル1個)を二つ集めてつなげた時、「数(かず)の数(かぞ)え主義」しか教えられなかった幼児は、端から「いち」「に」と数(かぞ)えて、「二番目のタイル」を手に取って「ここにはタイルが2(に)ある」と「バラタイル1個」をさし出すということが確かめられています。

ブローカー言語野「3分の1のゾーン」

 これは、「ブローカー言語野」の「3分の1のゾーン」での認知と認識による表現です。なぜ、このようなことが起こるのか?というと、「バラタイル」(一個のタイル)を端から順に見て、二つ目の「タイル」で「目で見ること」が止まるからです。指で一つずつ触れて、二つ目の「タイル」で指が止まることと同じ了解の仕方です。

 「ブローカー言語野」の「3分の1のゾーン」は、側頭葉に位置しています。側頭葉は「記憶の野(や)」といわれていることはよく知られています。

 しかし、「記憶すること」は、必ずしも「側頭葉」だけでおこなわれるのではありません。「記憶すること」だけに限れば「大脳辺縁系」でも「小脳」でも、「後頭葉」でもおこなわれています。つまり、「脳のどの領域では、何を記憶するのか?」が重要なことになります。

 側頭葉は、「ウェルニッケ言語野」が分布している野(や)です。「ウェルニッケ言語野」は「触覚」をとおして了解したものを「記憶する野(や)」です。

 人間が「ものごとを記憶する」というときは、「触覚による了解」が土台になっています。「触覚」とは、「水を飲むこと」「食事を摂ること」が完結します。食物を摂ること、水を飲むことで人間は生きていけるからです。「視覚」や「聴覚」は、「触覚」が拡張された特殊な知覚機能であるといえるのです。「触覚」ということの価値をよく分かっていた古典的な大脳生理学は、この価値をイメージして「側頭葉」を「記憶の野(や)」と定義したと思われます。

 すると「ブローカー言語野」の「3分の1のゾーン」は、ほとんど「触覚」を中心にした「了解の仕方をする」ということが、あらためて理解されます。「ブローカー言語野」の「3分の1のゾーン」は「視覚のクローズ・アップ」というイメージを表象(ひょうしょう)するというハードウェアの機能をもつことは、すでによくご存知のとおりです。「数(かず)の数(かぞ)え主義」とは、「バラタイル」を「いち」「に」と指で抑えて、目でじっと注視して「ここで終わり」と判断した位置で止めることでした。その「指を止めた位置の対象」を「に」(2)と了解します。この「了解」とは「記憶する」ということです。これは、ちょうど「食事を摂った」「水を飲んだ」というときと同じ了解の仕方です。

 一回の食事を身体が摂取して確認する(空腹が解消した、ということが確認です)と同じように、現実のものごとを一回ごとに了解して記憶するという「学習の仕方」です。この「記憶の仕方」はすでにご説明しているとおりの「短期記憶」の仕方です。「食事」は、一日、三回摂る必要があるということと共通しています。もし、「一回だけ食事をしたら、一ヵ月は食べなくてもよい」ということがあれば、その時は「長期記憶」であるでしょう。

 人間の生理的身体の「触覚」による了解の仕方とは、「食事」の場合と同じように「記憶すること」の完成であるということを理解しましょう。「触覚」による了解と記憶は、「了解と記憶の終着点」です。次の行動は無い、という意味です。

 だから「短期記憶」としてしか成立しません。

 日本人は、人間関係を「自分と相手とは距離が無いもの」として記憶します。「見る」「見られる」という対人意識のことです。これは「ブローカー言語野」の「3分の1のゾーン」での了解と記憶の仕方です。「見る」「見られる」とは「言葉による関係づけ」は無いということでした。ここでの「言葉」とは、必ずしも「会話が無い」ということではありません。「話される言葉」が「自分の感情や気分」という生理的身体につながるような言葉が選ばれて言いあらわされるということです。「相手についての欲求や、好き嫌いといった生(なま)の感情の言葉」が典型です。

ブローカー言語野「3分の2のゾーン」

 遠山啓(ひらく)と栗原九十郎がAでのべる「空間性の学習」は「ブローカー言語野」の「3分の2のゾーン」で学習されます。「ブローカー言語野」の「3分の2のゾーン」は「頭頂葉」の野(や)に広がって位置しています。「頭頂葉」とは、「自動車」に設置されている「ナビゲーター」と同じように「目的地までの距離」「自分の居る現在位置」「目的地までの方向」といったことを記憶します。

 ここで重要なことは、「ブローカー言語野」の「3分の2のゾーン」は、幼児も大人も、日本人も外国人も誰もが同じように持っているということです。「脳のハードウェアのメカニズム」は、人間ならば全ての人に共通するメカニズムです。

 「空間性の位置や、位置関係」についての学習は、幼児にも可能である、ということがのべられています。これは、ごく当りまえのことです。幼児は、一歳半のころから独力で動けます。家の中で、いくつかの部屋を行ったり来たりするという行動は「頭頂葉」の働きによるものです。幼児が昼寝をしていて眼を覚ましたとき、近くに母親がいなければ、台所や居間などに出かけていって探すでしょう。これは、自分は今、何をしているのか?という「行動」の目的や方向をよく分かっていることを意味しています。「空間性」についての了解と記憶は、ふだんの日常の生活の中で正しく機能してるということです。

 では、遠山啓(ひらく)と栗原九十郎は、「方眼」(タテにマス目が3つ、ヨコにマス目が5つの方眼)を使って、子どもに何を教えていることになるのでしょうか。

 ここでは、「対応と位置」を学習することが目的になっています。「空間性」についての学習です。「空間性」とは、「場所」「場所の中の位置」「場所の中の移動」「場所という場面そのものの変化」のことです。「位置」とか「移動」とか「変化」というものは、直接的な触覚による了解では分かることはできません。間接的な触覚による了解で分かることができるものです。すると、「空間性」の学習とは、「ブローカー言語野」の「3分の2のゾーン」で記憶されることが分かります。「ブローカー言語野」の「3分の1のゾーン」での学習の仕方とは、明確に区別されます。

「空間性」の学習の必要性

 「空間性」の学習は、一体、なぜ必要なのでしょうか?

 幼児の頃の不安症状に「人見知り」ということがあります。

 母親とは別の女性を見ると不安を感じて、恐れを感じるという症状です。これは、「母親」には安心を感じるが、ヨソの女性には不安を感じる、ということです。安心を感じるとは、自分だけが分かっている価値があるということです。「ヨソの女性」にはこの「自分だけが感じる価値」を感じません。しかし、「ヨソの女性」には、本当に何の価値もないのでしょうか?

 「いい子ね」とか「可愛いね」「立派に成長しているね」など評価を与えて安心を与えるという価値を生み出すのが「ヨソの女性」です。この「ヨソの女性」の所有する価値は、「自分」だけではなく全ての子どもにも共通して、共有される価値です。

 「人見知りの子ども」は、この「ヨソの女性」が所有する価値を「学習していない」ことになるのです。これは、ボールビーらが提唱した『愛着』の中の「同期」(子どもが移動する状況)、「同調」(子どもの行動の肯定)が「母親との関係」の中で学習されていない(ブローカー言語野の3分の2のゾーンに記憶されていない)ことが原因です。

 「空間性」の学習は、「他者と共有する価値」についての記憶のために必要であったのです。これは、「ブローカー言語野」の「3分の2のゾーン」でのみ可能です。もし、幼児が「空間性」の学習として「対応」や「位置関係」について学習していないとすれば、その子どもの行動はどういうことが想定されるでしょうか。「物を元の位置に戻さない」「物を、初めのとおりの形に戻すといったことをおこなわない」でしょう。

 「他者と一緒に生活する」ということが困難になります。集団生活に適応できにくいということも生じます。新聞に、「支払い能力がある(ベンツなどに乗っている)のに、学校給食費を支払わない親がいる」ということが報道されています。社会の中で、自分の欲求や好き、嫌いの感情だけを実現する「主観的な行動」しか行えなくなるということです。

 「空間性」の学習は、「ブローカー言語野」の「3分の2のゾーン」で記憶することをいいます。

 「ブローカー言語野」の「3分の2のゾーン」でものごとを学習(記憶)するということは、「自分だけの利益」のことではなく、「他者にとっての利益」について学習して、記憶するということです。「他者にとっての利益」とは、例えば、「部屋の中をきれいに整理してそうじをする」と、「自分にとっても気持ちがいいし、安定感を感じるし、衛生的である」ことでも分かるように、めぐりめぐって「自分」にも価値が循環して戻ってきます。これが「社会性の価値」ということです。

 遠山啓(ひらく)らが開発した「数(かず)」の「半抽象物」(半具体物)の『タイル』は「ブローカー言語野」の「3分の2のゾーン」でしか学習して記憶できません。『タイル』は、誰にとっても共有される「数(かず)」の「量」(集合)です。この『タイル』は、「言葉」でいうと「言葉の意味」に相当します。『タイル』の了解が「ブローカー言語野」の「3分の2のゾーン」でしか記憶できないということは、「言葉」というものは「ブローカー言語野」の「3分の2のゾーン」で生成されたということの論理実証になるのです。

 ここで、これまでの考察をとおして分かったことをまとめます。

言葉の「学習」と「生成」の違いについて
  • 言葉の学習(教育)は、ブローカー言語野の「3分の1のゾーン」でも可能である。
    「ブローカー言語野」の「3分の1のゾーン」は、X経路を中心とする直接性の触覚の認知を記憶する。したがって「学習」(教育)は記憶が中心となる。(左脳は、この「X経路の直接性の認知」を認識して記憶する)。
    「ブローカー言語野」の「3分の1のゾーン」の学習と記憶は、「食べる」「飲む」などが象徴するように大脳辺縁系の欲求や感情が「意味」を構成する。「ブローカー言語野」の「3分の1のゾーン」が「話し言葉」の学習と記憶を可能にするのは、「Y経路」が働くからである。「Y経路」は、現実の対象が目の前の近くに存在しても、「A」と「B」とを比べて、違いや差異を分かる、という「認識」による分かり方を成り立たせる。「X経路」が優位の「ブローカー言語野」の「3分の1のゾーン」では、顕微鏡や拡大鏡で見たときのように、「クローズアップ」された内容が記憶される。ただし、記憶の対象は、限られる。「手でじかに触覚的に認知されるもの」「クローズアップとしてイメージされるもの」に限定される。だから『タイル』『言葉の意味』(ただし、意味を書きあらわす文字は認知できて記憶できる)は記憶できない。
    したがって学習も不能になる。
  • 言葉の学習と生成をになうのは「ブローカー言語野」の「3分の2のゾーン」である。
    「言葉」とは、
    @記号としての言葉
    A実物についての了解(概念)
    B意味

    の、三つの要素のことである。
    「Y経路」を中心とする間接性の触覚の認知を記憶する。(左脳は、X経路による認知を認識して記憶する)。「ブローカー言語野」の「3分の2のゾーン」は「Y経路」が主体となって五官覚を働かせる。
    「動くものをとらえる」「動くものどうしを同時にとらえる」などだ。「距離」を置いてものごとを了解する。これによって、「触覚」の直接性を「間接性」に変える。この「間接性」とは、「聴覚」による認知と認識のことである。「間接的な触覚の了解」(認知のこと)は、「視覚の遠くに見ること」と「聴覚」の二つを指す。「左脳系の海馬」「左脳系の運動野」「左脳系の小脳」などで記憶する(認識する)。
    「記憶の対象」は、おもに「言葉の意味」である。したがって、「ブローカー言語野」の「3分の2のゾーン」の「記憶」は「新しく学ぶ」「次々に学習を拡大する」という創造型になる。

カウンセラー養成ゼミ NEWSLETTER 第203号 一部掲載

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連載
初期・脳のシステムデザインの世界・1
初期・脳のシステムデザインの世界・2
人間の脳は「行動」をどう生成するのか
人間の脳の「自立した行動」のつくり方
人間の脳の働きの行動の生成1.「記憶と行動」のメカニズム
人間の脳の働きの行動の生成2. 「知的記憶と行動」の生成
人間の脳の働きの行動の生成3. 『フロイト先生のウソ』
人間の脳の働きのメカニズム・言葉と行動
脳の働き方のメカニズム・行動停止がつくる破滅
脳の働きのソフトウェアのメカニズム・人はなぜ、「脳のエセ科学」に騙されるのか
脳の働き方のメカニズム・病気の「言葉」と「行動」のつくられ方
脳の働き方の言葉の生成のメカニズム・「気持ち」と共同指示の「認知」と「認識」
脳の働き方「言葉の生成のメカニズム」・「言葉の意味」の生成の構造・2
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病気の言葉の『意味』の生成・「東京・秋葉原無差別殺人事件」
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日本人の病気の脳の働きの起源・父親を殺す中学生の脳の働き方
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「家族崩壊」/エクササイズ・投資に値する女性の知性のための新・性格教育法
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「幼児の算数」「脳の働かせ方」のための学習モデルと実践実技
書き言葉の生成・IV
エクササイズ:ポスト「世界同時不況」の、史上最強の知性のつくり方を教えます
書き言葉の生成・V 『共同幻想論』 (吉本隆明) 「ラジオ型言語とテレビ型言語」
「共同幻想論」(吉本隆明) エクササイズ:ポスト世界同時不況の知性の学習モデル
『ラジオ型言語とテレビ型言語・U』 「赤ん坊から見た世界・言語以前の光景」
「共同幻想論・母制論」「未来に希望を描けない若者危機」

参考:脳の働き方の学習のご案内

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女性と心を分かち合える「脳」を、最高に発達させる!!が教育の狙いと目的です。女性を「見る」「見たい」、女性から「見られる」「見られたい」関係をつくる、カウンセリング術です。

女性の「脳を健康を働かせる」!安心と安らぎを分かち合う、が教育のテーマと目標です。「気持ちが安心する。だから、知的に考えられる」という女性の本質を支えつづけるカウンセリング術です。

女性の脳の働きが伸ばす「人格=パーソナリティ」を目ざましく発達させる!が教育の方針です。 女性が社会性の世界(学校・仕事・社会の規範・人間関係のルール・合理的な思考)と、知的に関われる!を一緒に考えつづけるカウンセリング術です。

ストレスを楽々のりこえる女性の「脳」を育てる!!が教育の人気の秘密です。女性は、脳の働きと五官覚の働き(察知して安心。共生して気持ちよくなる)とぴったりむすびついて、一生、発達しつづけます。


脳と行動の診断

人の性格(ものの考え方)が手に取るように分かる「心の観察学」

心の病いに感染させられない「人間の関係学」がステキに身につきます。

心の病いを救出する、心と心をつなぐ「夢の架け橋術」

相手に好かれる「対話術」がまぶしく輝くので、毎日が心の旅路。

相手の心の働きのつまづきが正しく分かって、「正しい心の地図をつくれる」ので、損失、リスクを防げます。

性格のプロフィールが分かるから正しく「教え・育て・導く」ができる本物の社会教育の実力が身につきます。


よくある質問

学校に行くとイジメがこわいんです。私にも原因ありますか?

怒りっぽいんです。反省しても、くりかえしています。治りますか?
脳と心の解説

「仕事・人生・組織に活かすカウンセリング」です。他者の心身のトラブルを解消できれば、自然に自分の心身のトラブルも解消します。

プロ「教育者」向けのカウンセリング・ゼミです。
人間は、誰でも「気持ちが安心」しないと正しく「ものごと」を考えられません。

「脳を最大限に発達させる」が教育の狙いと目的です。「指示性のカウンセリング」とは、 「一緒に考える」「共感し合って共に問題を解決する」カウンセリング術です。ものごとには「原因」(脳の働き方)があるから「結果」(心身のトラブル)があります。

「脳の健康を向上させる」、が教育のテーマと目標です。「指示性のカウンセリング」は、「考えたことを実行し、考えないことは実行しない」 という人間の本質を、最後まで励まし、勇気づけるカウンセリング術です。

脳の働きがつくる「人格=パーソナリティ」を育てる!が教育の方針です。
「指示性のカウンセリング」は社会性の世界(学校・仕事・社会の規範・人間関係のルール・合理的な思考)と正しく関わる!を一緒に考えつづけるカウンセリング術です。

ストレスに強い、元気に働く「脳」に成長させる!!が教育の魅力です。
「指示性のカウンセリング」は五官覚(耳、目、手、足、鼻)を正しく発達させて、言語の能力も最高に発達させるカウンセリング術です。


脳と行動の診断

「心の病いの診断学」が楽しく身につきます。

心の病いの予防と解消の仕方の「人間の理解学」が身につきます。

心の病いに気づける「人間への愛情学」が驚くほど身につきます。

「交渉術」の知性と対話の能力が目ざましく進化しつづけます。

相手の心の病理が分かって、正しく改善できるので心から喜ばれます。「心の診断術」

病気になるということ、病気が治るということが正しく分かる、最高峰の知性が身につきます。


よくある質問

朝、起きると無気力。仕事にヤル気が出ません。うつ病でしょうか?

仕事に行こうとおもうと、緊張して、どうしても行けません。治りますか?
バックナンバーの一部を9期後半分より、随時掲載していきます。
詳しくは下記をクリック
 ゼミ・イメージ切り替え法
 バックナンバー第7期まで
 バックナンバー第8期から
 ゼミ・イメージ切り替法の詳細
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 自立した女性の性と家庭教育ゼミ
 カウンセラー養成ゼミ
 バックナンバー第7期まで
 バックナンバー第8期から
 カウンセラー養成ゼミ詳細
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 戦う男性の社会教育ゼミ
入会も随時受け付けています。
入会と同時にご希望のバックナンバー等、ビデオ(DVD)学習で、学んでいただけます。


ゼミの見学、ゼミのバックナンバービデオ(DVD)試聴も無料です
ニューズレターと共にお送り致します。 詳しくは「入会案内」をご覧下さい。
ポルソナーレのゼミの様子をYouTubeに公開しました。

脳を発達させる日本語トレーニングペーパー

一部公開しました。
トップページ NEW! 年間カリキュラム 学習の感想と学習成果 「日本人の思考」と「谷川うさ子王国物語」と「グローバル化の恐怖」
学習内容(サンプル) 「言葉」 日本語の影響。その仕組みと感情、距離感、人間関係について
「脳を発達させる日本語トレーニング・ペーパー」の役立て方の資料
『分裂病の自己診断表と自己診断』
男性に嫌われない女性の話し方
女性に嫌われない男性のしゃべり方
を教えます

ポルソナーレのマスターカウンセリング

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「第19期」(平成29年・2017年)ゼミ、開講中!
受講生の皆様へ 平成25年冬版 ポルソナーレからの真実の愛のメッセージ
受講生の皆様へ 平成25年5月5日 版 ポルソナーレからの真実の愛のメッセージ 詳しくはこちら!
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 田原ごあいさつ

 
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時代の病理デウスドクター初期ノート ハンナ・アーレントの哲学入門 『人間の条件』 谷川うさ子
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