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《 ポルソナーレのマスター・カウンセリング 》

「長崎佐世保市・女子高校生による同級生の女子殺害、
首・手首の切断事件」の心的異常と心的病気の教える教訓


吉本隆明『心的現象論序説』(角川文庫)の心的異常・心的病気の検証

脳の働き方がつくる「共同体」と「共生」を否定すると「異常」が出現し、無視すると「病気」があらわれる

クマ江
クマ江さん
《はじめに》
 平成26年7月26日に、長崎県佐世保市で女子高校生(16歳)が、同級生の女子生徒(15歳)を石頭ハンマーで殴って殺害し、殺害した女子生徒の首をのこぎりで切断し、右手首も切断するという事件が起こりました。
 加害者の女子高校生の父親は弁護士、母親は昨年10月膵臓ガンで病死したが、東大卒で市の教育委員を勤めていた、という家庭環境でした。加害者の女子生徒は、ピアノコンクールで入賞する、冬季スポーツに父親とともに親しんでおり、今年9月にはオーストラリアに留学予定など、超エリート一家を背景としています。
 『東京スポーツ』(7月31日)に北芝健(警察ジャーナリスト)は、こう書いています。
 「加害者少女は、東大進学を目指すと話していた。秋からはオーストラリアに留学の予定だった。エリート一家に育った青少年の猟奇的な殺人事件は、過去にも起きている。この事件は、神戸連続児童殺傷事件(一九九七年)の酒鬼薔薇聖斗を想起させる。東京・渋谷の歯科医の家で起きた兄が妹を殺害し、バラバラにした事件(二○○七年)など、エリート家庭の子どもの犯罪はバラバラ殺人など、残虐を極めることが多い」、と話しています。
 また、臨床心理士の矢幡洋(『夕刊フジ』7月29日)は、「極端な攻撃性が表出している。今回の事件では、加害者の女子生徒は、自分のことを『僕』と呼んでいた。今年の春、寝ている父親を金属バットで殴り、頭部に大けがをさせ歯なども折っている。二○○七年五月に、福島県で十七歳の少年が母親を殺害し、母親の遺体をバラバラにして切断した右手を植木鉢にさしていた。いずれもありえないことを実現させたいという歪んだ欲望の衝動が異常な行動をとらせた」と話しています。
 このような特異的に突出した事件は、「中学生の頃は、加害者と被害者の女子生徒は仲が良かった」「かくべつ恨みがあっての殺害ではない」ということから類推して、特定の個人に特有の異常、および病気とは考えないことが知的対象としての観方です。
 すると、どう考えるのがいいのか?というと、日本人の誰にも共通する接点は何か?と考えることが不可欠です。

(熊野クマ江)
 

吉本隆明の『心的現象論序説』(角川文庫)に説明されている
「心的な異常」「心的な病気」を理解することが、
一連の中学生、高校生の起こす「異常」「病気」の理解のために必要です。


 心的な異常、心的な病気は、誰でも中学生、高校生のころに出現します。それは、人間の脳の働き方の発達と完成の仕方に理由があります。日本人は(日本人に限らず)、小学四年生から性の機能、能力が完成に向かい、中学の三年間で完成します。しかし、脳の働き方と能力は、0歳10カ月ごろにほとんど完成します。この完成した脳の働き方に、性の機能もふくめて、身体に自立した行動力を習得させるというのが「幼児」「小学生」「中学生」までの母親、および、父親の責任です。

 しかし、「長崎県佐世保市、同級生殺害事件」の女子生徒の父親は、自分が金属バットで殴られた時、自分の娘の心的異常と心的病気を放置しています。

  また、小学六年生の時、同じクラスの二人の生徒の給食に漂白剤を混入させるところを別の児童が目撃して存命中の母親が被害の生徒に謝罪しています。

  弁護士である父親は被害にあった二人の生徒にお金を払ってこの事件を終結させています。父親と母親は、学校という社会性の場面で突出させた娘の異常と病気に、社会意識をもって対応すべきところを、放置しています。このことが問題になるのです。

  その放置の理由は、今、日本では、親による子どもの虐待が10年前に比べてはるかに増えていると報道されていることによくうかがえるように、一部の人を除いて、多くの日本人は、「何が異常か?何が病気か?」の判断がつかないことにあります。

  「長崎県佐世保市、同級生殺害事件」も、「何が異常か?何が病気か?」の判断を誰もつけられないことで、起こるべくして起こったし、今までも起こるべくして起こった、これからも起こるべくして起こるだろうということをメッセージしています。
うさ子
谷川うさ子さん
クマ江
クマ江さん
◎異常とは何か?病気とは何か?を判断するためのケーススタディ、相談の事例とは、次のようなものです。

◎「私は高2の女子。仲の良かった友だちが学校を辞めて毎日、一人ぼっちで泣いています」(黒川理恵(高2)、女性、長野県北佐久郡北郷作村)


(謹告・相談の事例は、匿名です。地域、住所、団体も全て匿名です。相談の内容も合成して、再構成しています。特定の人物とは一切、無関係であることをあらかじめお断りします。)


@私は高校2年生の女子です。
私は、自分の性格で悩みはじめたのは中学に入ってからです。
中学に入ると、まわりの人は何人かのグループをつくり、仲良くやっています。でも、私は、ひとりだけポツンととりのこされました。

A2週間くらいして、やっと一人だけ友だちができました。
私は嬉しくて、二人だけのメールの交換をおこなって楽しくすごしました。
でも、その友だちは、私から離れていきました。その友だちはメールでこう言いました。
「あなたはいい人だけど、そしてとても優しいけども、私にも合わないみたいだ。ちょっと悲しいことがあるとすぐ泣くし、話題が暗い。いっしょにいてもつまらない。もっと、あなたに合った友だちをさがしてください」。
私は、このメールを読んだときは、すごく反省しました。

Bその友だちとは、もういちど仲良くしたくて努力したつもりですが、けっきょく仲間外れになりとり残されてしまいました。明るく笑顔でやろうと思ってもダメで、だんだん暗くなるばかりでした。だから、遠足、登山、修学旅行、どれも参加しましたが、楽しかった思い出なんてありませんでした。

C高校に入ったら性格を変えていろんな人と仲良くなって友だちになって楽しくやろうと思っていました。
しかし、高校一年生になっても同じような悩みが起こります。3人で仲良くしているとします。すると、すぐにちょっとしたケンカになるのです。
私とA子さん、対、B子さんというように対立します。
理由は、B子さんが冷たすぎるというものです。私がA子さんに相談をもちかけると、これを聞いていたB子さんが「そんな幼い悩みで悩んでいるのね」と冷たく笑うのです。「世間は、そんなに甘くないよ」とも言われました。すると、A子さんが「B子さんは嫌だ」と言い始めました。私も全く同感でしたので、B子さんをのけ者にしはじめました。B子さんが来ると、シーンと黙ってしまうのです。

D私もA子さんも、B子さんがかわいそうだと思いつつも、B子さんに対する嫌いな気持ちがふくれ上がる一方でした。
そんな時、クラスの中で不良しているというか、グレているというか、そんな感じのC子さんとそのグループの5,6人の女子生徒の人たちに、私とA子さんがいじめられるようになったのです。クラスの中であからさまに悪口を言われたり、スリッパとかジュースの空カンを投げつけられるようになりました。
C子さんたちは、私とA子さんがB子さんを仲間外れにしているからいじめたといいます。

Eたしかに、私とA子さんが、B子さんを仲間外れにしようとは思わなくても、周りの人から仲間外れにしていると見えたことは、私たちにも原因があったので、反省しなければならないと思いました。
しかし、それ以前に、C子さんには、いじめられたことがあったのです。調理実習の時に「やり方がのろい」「まじめぶっている」「人を上から目線で見下している」と言葉でいじめられました。今、考えてみても、私はC子さんに何もしていないし、あいさつだって普通にやっているし、どうしてこうなったのか分からないのです。
A子さんも、C子さんにいじめられたと言っていました。
「でしゃばるな」とか「えらそうに」とか「バカ女!」と言われたり、悲しい思いをしたそうです。

FC子さんは、私やA子さんを、理由はどうでもよくて嫌っているようです。担任の先生に助けを求めました。
直接、悪口を言われるとか、物を投げられることはなくなりました。でも、クラスの中が異様な雰囲気です。C子さんやその仲間の人たちにあいさつをしてもソッポを向かれます。三人で仲良くしているといっても、B子さんとは、ギクシャクした関係がつづいています。
B子さんと離れると、またC子さんに何かを言われるんじゃないかと、仕方なしに付き合っています。私もA子さんも、B子さんには悪いのですが、一緒にいてもつまらないのです。どうしてもB子さんとは打ちとけられません。私は、B子さんの何が嫌なのかが分からないのです。

G私は、今、人間関係にひどく疲れています。心の中に、いろんな不安がどっさりあるという感じです。明るく、元気にがんばろうと思うのですが、心の中にいつもモヤモヤしたものがあって、取れません。
今の私は、学校で下を向いて歩いている状態です。上を向いて歩くと、まわりの人から悪口を言われているように感じます。
クラスの中にいるだけで胸がドキドキしたり、声も喉につっかえて、からまって低い声がボソボソとしか出て来ません。
このごろ、毎日、朝起きると学校に行きたくないと思う日が増えてきました。私は、将来、どういう人間になるのでしょうか。
A子さんは、学校を辞めました。私は、家で、一人で泣いたり、誰かと一緒に歩いても「このごろ、ボーッとしているね。どうしたの?」と言われるようになりました。

謹告・相談者は仮名です。地域、職業も特定の職業、団体、地域とは全く無関係です。相談の内容も合成、再構成しています。熊野クマ江)
 
 
■この女子高校生(仮名)の相談の事例には、具体的に何が異常で、何が病気であるというようには特定できないという説明になっています。

 吉本隆明は、このような心的な異常、病気について 『心的現象論序説』(角川文庫)で次のように説明しています。

  心的現象の異常とは、心的な空間化度と時間化度の錯合した構造が、有機的自然体としての人間の時間性(生理的時間性)と、現実的環界の空間性との一時的対応が喪われない心的異変としてかんがえられるものをさしている。

  心的現象の病的という概念は、すでに有機的自然体としての人間の時間性と現実的環界の空間性との双方からの心的対応性が喪われた心的異変として規定される。

  「長崎佐世保市・女子高校生、同級生殺害事件」の女子高校生も、事例の女子高校生の不安、苦悩も、心的な異常、心的な病気を捉えなければ、特殊な猟奇事件となり、理解不能にとどまり、自分、および自分の家族とは全く関係ないものだと思われます
  このような理解不能とする自分とは無関係意識が、日本人の心的な異常、心的な病気を連環させて姿を変え、形を変えた事件やトラブルを激発させています。
うさ子
谷川うさ子さん
 
 吉本隆明が『心的現象論序説』(角川文庫)でいっているのは、人間の脳の中にある言語野に、正常な空間構造と空間概念が、認識としてまともに表象しているかどうか?を問う、というものです。「一次対応」というのは、目で見る、耳で聞くという五官の知覚がちゃんと保たれていて、しかし、認識が歪めば、それは異常であるということです。「心的な空間化度」というのは、左脳でルール、きまり、約束という認識が成立することをいいます。「時間化度」とは、よく、「空気を読めよ」とか「相手の気持ちを分かれよ」「相手の立場に立って考えなさいよ」といわれるように、「意味の脈絡」として「法則」を正しく認識する、ということです。

 「心的な病気」とは、「机とイスという関係」(空間性)をふまえた人間の認識は、「机とイスの関係」を法則とした認識(勉強をする、食事を摂るなど)を「自分のための規則とすることができない」というように定義されています。この空間構造と空間概念を「共同体」というのですが、これをわざわざ認識の中で歪めるというのが心的な異常です。そして、作話症のように、認識の言葉を拒否したり、否定するのが心的な病気です。

 相談の事例でいうと「学校という空間の場面、状況でグループとか私的な人間関係をつくる」というのが心的な異常です。
うさ子
谷川うさ子さん
 
この吉本隆明の「心的な異常」「心的な病気」の定義を「長崎県・佐世保市、女子高校生による同級生殺害、首の切断、左手首の切断事件」に適用すると次のとおりです。

日本語(文法)を、アマゾン・ドット・コムの商品(カテゴリー)のレビューに置き換えると、日本語の「肯定面」と「否定面」の「法則」がとらえられます。アマゾンの商品(カテゴリー)のカスタマーレビューでいうと「星5つ」のコメントに当ります。

その法則は、「相手が話したら、自分は、その相手の話題についてのみ限定して話す」という法則です。そのことについて謝意なり、肯定なり、何ごとかの了解なりを述べる、というのが「法則」です。

「星1つ」のカスタマーレビューであらわされる「否定面」は、「相手が話したこととは無関係に、全く別の話題をしゃべる」「相手と話したことを了解したのに、そのことを忘れたり、不自然に作り変える」という「法則」はもちろん、「規則」の破壊が心的な病気です

なぜこういうことが起こるのか?というと、0歳10ヵ月の頃に完成している脳の中の「空間構造」に「空間概念」を与えて行動可能の言語をつくるときに、母親が「不安定な愛着」を強いることが原因です。

「不安定な愛着」は「Aタイプ…子どもの共同注意を無視する」
「Bタイプ…子どもの発語を無視してからかったり、放置する…子育ての中でスマホをながめるなど」
「Cタイプ…子どもを過度に叱る、せっかんする、脅かす、など」
「Dタイプ…子どもの空腹、不快状態を放置して不快なままを日常化する」などです。

「長崎県・佐世保市の同級生殺害事件」は、子どもの「Dタイプ」による「一次対応」の否定による病気が出現しています。子どもの見る、聞く、などの知覚の「認知能力」を、母親と父親の両方が否定し、拒否するとこのような病気が、子どもの脳にいつでも現前化するのです。
うさ子
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